河合工務店DNAとは

 

立場は「反核」



10/ 河合孝社長の最初のインタビューは、東日本大震災から間もなく。「被災地の避難所である体育館の床は冷たいので、1,000枚の毛布を送ろうと業者に問い合わせたが無理だった」と、初めに話す。「東京であの地震が起きていたら、自分たちは生きていない。被災地の人たちと私たちは無縁ではない」。そして、福島原発の事故に怒る。「原発は嘘ばかり。二酸化炭素を出さないクリーンエネルギーと言ってきたが、この放射能漏れの事故をどう説明するのか。東京電力は許せない!」。
 いきなりの反原発の主張に面くらう。

原発のウソを訴え続ける

 

11/若き日、学生運動に打ち込んだ河合社長。安保闘争から「反核」「反戦」運動と駆け回った。当時の主張は今も変わらない。特に原発反対のデモや活動には積極的に参加し、勉強もする。手渡された「原発は"温暖化防止の切り札ではない」と論じるパンフレット(日本カトリック教会と平和協議会)は分かりやすいので、要旨を絵に。原爆の父・オッペンハイマーが原爆を破壊神シバになぞらえたことにならう。
 「電力に頼る生活から改めるべき。オール電化の家は愚かなこと」。反核の思想は、深く仕事につながっている。

目と足で確かめる環境問題

 

12/河合工務店のHPに掲げる「こだわり」を追う。まずは「国産材」。
 1960年頃からハウスメーカーにより、安い家が大量に建設される。同時に東南アジアの熱帯材が伐採され、日本に輸入。それは合板となって大量消費され、貴重な原生林は消滅の危機に。しかし、政・官・財が結託した外国企業は、伐採をやめない。環境破壊と共に住民の人権を蹂躙して強行。でもこう言う。「住民の焼畑も環境破壊。我々企業は経済的に貢献している」。果たしてそうか。パプアの会のツアーで、河合社長は、現地を自分の目と足で確かめた。

企業は森を二度殺す


 
13/企業伐採は二度「収奪」する。一度目は、森を丸刈りにし、その木材を世界中に売りさばく。二度目は、更地にユーカリ(紙パルプのため)などの換金作物を植え、プランテーション農業を展開。企業は「植林したのだから環境破壊ではない」と胸を張る。嘘だ。農地は農薬で汚染され、災害に弱い。生活基盤を奪われた地元住民は、農地の安価な労働者に。森は死んでいく。大雨が降れば、ラテライトの赤い土砂が、血の涙のような奔流に。
 南国の楽園にこんな破壊をもたらすならば、日本は自身が豊かに持つ森の木を使うべき。

「質」VS「採算」の現場

 

14/「これじゃ、産業として成り立たない…」と、思ってしまう。二宮木材(栃木県那須塩原)の二ノ宮社長が語る林業の現状は厳しい。過酷な状況の中でも、良質な国産スギ製材加工にこだわっている。そして河合工務店と提携。業界では、木材価格の低迷でのコスト削減から、木を高温乾燥(120℃)し、早期に出荷する傾向に。しかし、それでは乾きすぎて本来の木の良さが出ない。ここでも高温乾燥は行うが、木の粘りや香りを生かす中温乾燥(50〜60℃)にも力を入れている。もちろん時間はかかる。日々、採算と良心が葛藤する。

山を押さえつける手とフタ

 

15/現在、日本の木材自給率は20%。50年前は90%だった。日本の木材は高いのか? 30年前の半額で、外材より安い。「外材は安いので輸入」の状況は、実は逆転している。使える木が足りないのか? とんでもない。多くの人工林が伐採時期を迎え、木は余っている。むしろ伐採しないと荒廃していく。木の質が低いのか? 例えば日本の杉は、中国やアメリカでは香りの高い高級材とみられている。ではなぜ国産材は使われないのか? ハウスメーカーなど住宅産業が、外材を使う仕組みを構築してしまったこと。後継者がいなくなるなど、林業が衰退していること。一番は、ネットワークの欠如。木の家を求める建て主が存在するのに、生産者、つくり手が、そのニーズに対応するシステムを持っていない。流通がうまくいってないともいえる。河合工務店では、それを自前でつくろうとしている。「国産材を使う」という旗を上げて。

宇宙レベルで考えると…

 

16/合板は、住宅では、工事、構造材や家具などに使う。コンクリート型枠にされると、使用後にすぐ廃棄。短いサイクルで粗大ゴミにされていく。その材である熱帯林の多くは皆伐されつくした。今は、北米やシベリアの針葉樹が伐採中。森林破壊の元凶である合板は、健康にも良くない。薄い板の間の接着剤にホルマリンや薬剤が含まれる。板には虫がつかないように農薬も。これらの化学物質は、「シックハウス」の一因に。宇宙人も寄り付かない。また合板は湿気にも弱い。高温や多湿になる日本の気候風土に即した建材とはいえない。伝統的構法で建てれば必要ない建材。だから「脱合板」。

選挙ポスターの掲示板も!

 

17/その方針は徹底している。2007年4月、統一地方選のさなか、河合社長は、地元の中野区選挙管理委員会に抗議した。選挙ポスターを貼る掲示板がベニア板であることを。「熱帯林は伐採しつくされ、土砂災害を招いている。原産地インドネシアでは違法伐採も横行。何もラワン材である合板を使わなくていいのではないか」。区はその訴えを受け入れた。計315の掲示板をベニアから再生紙ボードに切り替えたのだ。この模様は、読売新聞にも取り上げられた。タイトルは「行動を起こす」。あの都知事選挙も、中野区の掲示板は再生紙ボードだった。

木造は地震に弱いのか?

 

18/阪神・淡路大震災では、「木造が地震に弱い」と報道された。そのことに疑問を持ちつつ、河合工務店は震災の10日後、仲間数人とワゴン車に救援物資を積んで被災地に。現場を見て、木造が他の建物に比べ、震災に弱いのではないことを確信。倒壊した多くは、1階の壁量が不足していたり、アンバランスな建物、手抜き工事されたものだった。そうであればコンクリート造、鉄筋造、木造関係なく壊れ、多くの人が圧死。この実態から河合工務店は、建て主が「1階開口部を大きく」と要望しても、命を守るために「NO」を言う。

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