カラスになっちまえ!
最近、街中で、たまに黒いマスクをしている人がいる。
なぜか、瞬時に反感を抱いてしまう。
一番初めて見てギョッとなった黒マスク姿が、
マイケルジャクソンだった。
整形しすぎてただれた鼻を隠すためだとかの
報道写真が、妙にまがまがしく思ったのが
意識の底にあるのかもしれない。
黒マスクをしているのは、
だいたい容姿端麗の若い男女である。
自信がないとあのきついファッションはできない。
ぶざまに見えるだけだから。
たしかにかっこはいい。
しかし、そのかっこまよさは、
「不気味さにつながっていることを自覚しているのか、
していないだろう」という自分勝手な怒りが、
「反感」の原因なのだろう。
どうしてもゴミを腐肉を食い散らかす「カラス」に
見えてしまう。
あのさかしげなカラスが、太い口ばしを
ゴミ袋につっこんだ時に遭遇すると
ゾワゾワと湧きあがる憎しみ…
あの感情が、どうしても呼び起こされてしまう。
カラスには罪はない。
カラスを色眼鏡で見る人特有の愚かさを、
自分もごたぶんにもれず持つだけのこと。
ああ、黒マスクをするいなせな人よ、
いっそのことカラスになっちまえ!