夜の散歩道

 

友人と飲んで電車がなくなり、

深夜2時、一人、家までの10キロほどの道のりを歩く。

 

途中、尿意をもよおし、橋の上から土手を見渡す。

すると橋げたの真下の川の上、

暗闇の中でなにやらモゾモゾ動く白いものあり。

ゴムボートのようだ。人がいるらしい。

目を凝らしても、詳細は分からない。

音もしない。

 

この広い都市には、いろんな人がいる。

ほっておこう、秋風。

 


一本男!

 

ユーチューブで発見した、

ジャマイカ人シンガーのブラッシー・ワン・ストリング。

一本の弦だけでギターを弾きこなして歌う。

ゆるく調律しているので、ビョンビョンとと鳴り響く。

声も顔も強烈だ。愉快になる。

こういう人は、日本の風土では出てこないんだろうなぁ。

では、お聴き、ご覧ください…

 

https://www.youtube.com/watch?v=1inXm8qdd5c

 

 

 


レモンのレノン

 

 

レモネード「ジョン・レモン」を販売する会社に、

アーティストでジョン・レノンの妻オノ・ヨーコが、

「商品名を変えよ」と訴えたそうだ。

 

この会社の創設者は、「レモネードの名は、

ジョン・レノンとは無関係で、

別のブランドだ」と主張している。

 

とはいうものの「ジョン・レモン」の命名は

実に絶妙なもので、

レノンと「無関係」とは言い切れないはずだ。

 

実際、ジョン・レノンの顔は、レモンに似ており、

すっぱくて爽やかというテイストも、

彼の歌や性格にぴったりという気がする。

レモネードの「ジョン・レモン」が売れているとすれば、

イメージの底に「ジョン・レノン」があり、

それが人の潜在意識を刺激している。

ということを、ジョン・レノンブランドの牙城である

オノ・ヨーコが、

敏感に察知したのは当然といえば当然かもしれない。

 

ただし、妥協を許さぬ四角い顔のヨーコは、

洒落の分からない野暮な人にも思えてくる。

 

偉人の「レノン」が「レモン」と呼ばれ、

レモネードとして飲まれることは、

結構素敵なことだと思う。

ごくりと黄色い液体をのどに流しこむ度に、

人はレノンの「イマジン」だのを

頭の中で鳴らしつつ、

世界がすっぱくて爽やかなこと

思い出すだろうから。

 


混乱

 

スキンヘッド六人衆/4


爆裂前夜

 

国連総会でトランプ米大統領が、

北朝鮮の金正恩を「ロケツトマン」と揶揄したとき、

思わずその「絵」が浮かんでしまった。

 

トランプ大統領のコメントを心待ちにする自分がいる。

何が飛び出すか分からない期待感を抱かせてくれる。

粗暴だが、粗暴さに一貫性があり、

ある意味理解しやすい。

国連ではベネズエラなど反米国家を

名指しで批判したが、

批判された国の国民は当然憤慨する。

だかあからさまにすぎる批難だから、

批難された方は気持ち良く怒れる。

 

トランプ大統領の理不尽さは、

エンターテイメント性があり、陽性だ。

 

対する金正恩は、陰性だ。

ロケットマンと言われた彼は、

本気でトランプ大統領に激高している。

イエスマンしか周囲にいないから、

公の場の侮辱は相当にこたえるはずだ。

反対声明の反撃の言葉はトランプほどの機智がないが、

目にあふれる憎悪の光が怖い。

 

陽性トランプが

陰性金正恩と

変に核融合して、

目も当てられない大爆発を引き起こすかもしれない。

その後の惨状に

ユーモアにみちたことは何もない。

 

 

 


模索

 

スキンヘッド六人衆/3


初挑戦

 

スキンヘッド六人衆/2


疑念

 

スキンヘッド六人衆/1


「太る」ビジネス

 

反モードな広告/2

 

今、体の美の基準は細いことだ。

だから「痩せる」ことに関するビジネスは、

いつも大繁盛である。

 

しかし、「太りたい」という人も少数ながらもいるはずだ。

お相撲さんや、太った登場人物の役を受けてしまった

役者さんなど、その筆頭に思い浮かぶ。

 

ただ、太ることに憧れ、太ることが美しいと思う人だって

世の中にはきっといるはずだ。

「短期間で太る」「健康的に太る」「ツヤツヤと太る」と

いう技術を開発して売り出せば、一定の需要はあるかもしれない。

 

アフリカのある文化圏は、女性は太っている方がもてるという。

豊満な体は、「豊かさ」「色気」の象徴となるらしい。

そんなところで「太る」店を出せば、流行りそうな気もするが、

太るためには大量の脂肪なり物理的な何かが必要で、

コストがかさんで大変かもしれない。

 

ただ痩せる技術と同じだけの情熱を

太る技術に注ぎ込めば、

効率的な方法が見つかるかもしれない。

太るスイッチみたいな遺伝子があって、刺激すればぶわっと

体が膨張するとか。

 

布袋さんも大黒さんも太っている。

見るからに幸福そうだ。

太っている人は、周りに緊張感を与えない。

これは一つの固定観念かもしれない。

太る人ばかり登場するきつい愛憎劇をやれば、

なにかしら新鮮な見世物ができるだろうか。

 


重力場マンション

 

反モードな広告/1

 

電車に乗っていると、新築マンションの広告が

相変わらず目に付く。

決まって巨大な箱が、朝日か夕日にキラリ輝き、

そこでの生活がバラ色であることを謳っている。

 

今、人口減で、空き家率が10なん%もある時代に、

こうも新築を量産し続けていいのかなと疑問がわく。

また、こんな画一的なデザインの巨大な建物が

未だに建ちまくって街の景観をつまらなくしているのは

どうなのか。

 

そこでこのモード(流行)に異議を唱えるべく、

上のような独自性のあるマンションを提案しよう。

気鋭の建築家が一度は空想する、全室床斜め、

いやもっと過激に床ぐんにゃりの集合住宅はいかがであろう。

そのカーブは人間工学を駆使して計算されており、

歩いてよろけたとたん、ドスンと腰を落とせる位置に、

ソファーなり寝椅子なりが配置されている。

急ぎの時は、身を床に横たえ、ゴロゴロ転がればよい。

粘着テープ付のガウンを着て転がれば、

同時に掃除もできる。

 

マンション屋上には、どでかいアルミ製のボールが

輝いている。

これがとてつもない重力を発する星で、

周囲の時空間を捻じ曲げている、

という趣向の建築デザインだ。

 

マンション名は、「重力場」の英語読みをそのまんま

冠に載せて地名と並列し、

「グラビテーションプレイス足立」とした。

なんとなくかっこいい響き。

たいていのマンション名は、カタカナの羅列なので

ここはモードに従った。

 

駅から5分で、眺望の良し。

少々住みにくいが、人に自慢できる奇抜なデザイン!

 

どうです? 住みたくなるでしょう?

 

この原案を実現し、

新機軸を打ち出したいマンション業者の方、

ぜひお知らせください。

もっと強烈な提案をいたします。

共同開発しませんか?


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