氷ストーブ

 

中学時代の一コマまんが/36


一見ざっくり、実際びっしり

 

美術漫遊/2

 

板橋区立美術館でやっていた

プロレタリア運動の作品群を見た後、

友人と豊島区立の熊谷守一美術館に足を運ぶ。

 

熊谷守一の絵は、

昔、NHKの『日曜美術館』で目にしたことはある。

広い面をのっぺりと単色で塗る

単純な画面構成で、正直何が良いのか分からなかった。

 

実際、絵を前にすると、

「ざっくりな絵」どころか、

緊迫感がピシピシと漂う「繊細で複雑な絵」で

あることに驚く。

 

上の黒蝶にしても、筆あとも一方向にそろって細かく、

輪郭線のところでピタリと止まっている。

画家はミクロン単位で筆の先を整えつつ、

息をつめて線をそろえたに違いない。

偏執狂的な集中力である。

 

それと具象を抽象化していくときの、

思考の激しさを感じる。

例えば、他の絵だが、アジサイの複数の花びらは、

画家の頭の中で溶け合って、

スポットライトの円のようになり、

他のアジサイの花の円と緊密な関係を取りながら、

絶対的な構図に落ち着いている。

 

3階は書画が飾られていたが、

ふわっと描かれた生まれたてのブッダが

片手を上げて「唯我独尊」とやっていた。

戦中戦後、ブレなく己の画業を歩き通した人の

自由さと偏屈さを感じた。

会えば、付き合いにくそうな人だぁとも。

 

それと、絵は印刷物で見ても、

半分ほどしか分からんなと思う。

生の絵は、本当にナマめいて怖い。

 


合併

 

中学時代の一コマまんが/35


モダンなプロレタリアアート

 

美術漫遊/1

 

友人と、板橋区立美術館の館蔵展示「絵画は告発する」

を見に行く。

 

戦前から戦後にかけて、社会問題を告発した絵画を展示。

1920年、30年代のプロレタリア運動、戦中の抑圧時代、

戦後の基地闘争や事件を題材とした「ルポルタージュ絵画」など

重厚な作品が並んで見応えがあった。

社会に切り込んだ美術は、

時にドロリとして陰鬱であったり、

暗部をあぶりだしてな凄惨だったりするが、

「問題」の核心にぐいぐい迫るような疾走感があり、

案外見ていて楽しい。

 

ただ1920年代のプロレタリア運動の元に花開いた

絵画はモダンでおしゃれで、垢ぬけていた。

ベルリン帰りの芸術家・村山知義が手がけた

芸術雑誌『マヴォ』の表紙はかっこいい。

当時ドイツの表現主義を取り入れ、颯爽としている。

当時の左翼の人は、芸術を通して、「心」からも

社会を変革しようと意気込んでいたのだろう。

戦後の左翼運動が、教条主義に陥って、

無味乾燥な漢字とカタカナだらけのプロパガンダを

叫ぶような無粋さがない。

 

社会に働きかける行為には、

エレガントさも必要だなぁと思う。

 

 

 


テレフォン出前

中学時代の一コマまんが/34


ジリジリ…

 

中学時代の一コマまんが/33


公害対策

中学時代の一コマまんが/32


洗面器です

中学時代の一コマまんが/31


攻撃と抵抗

 

中学時代の一コマまんが/30

※地球の右側の大地に巨大な発射台あり。


あんた本当に犯人見たの?

 

中学時代の一コマまんが/29

 


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