384円のドイツ旅行

 

食生活が単調になりがちなので、

ドイツ産のきゅうりの酢漬けを買ってみた。

384円と安い。

瓶いっぱいに詰まった、この充実感がいい。

噛めばコリリと鳴り、酸っぱさが口内にじんわり広がる。

朝食に2本。ビールを飲みたくなる。

 

ソーセージの湯気濛々たるドイツの居酒屋で、

大きなジョッキを持ち上げ

「かんぱーい!」と大声を張り上げる妄想が浮かぶ。

「イギリスのEU脱退について、

ドイツ人はどんな心境か?」なんて

タイムリーな話題も聞いてみたい気が。


息づき出した字

 

先日のアクティブ絵手紙は、有料老人ホームで実施。

「木の絵を描いてください」とお題を出すと、

90歳のおばあさまは、「木」の文字を書かれる。

まあいいか、と続けて

「色を塗ってください」と言うと、

文字の上に載せられた色がなかなか素敵なのだ。

 

漢字は象形文字が崩れたものだから、

半分絵のようなもの。

「木」という言葉から、葉がもくもく生えてきたようで、

なんだか瑞々しい。

 

上は改めて、自分なりに描いたもの。

風にざわざわ揺れる木の葉の塊は、

本当に鼓動を打つ「生き物」という感じがする。

 

 

 


何にもない中心だから、平和で悲惨

 

河合隼雄の名著『中空構造日本の深層』を再読。

 

日本神話では、重要な神3柱が何組かあるが、

一番重要な真ん中の神ほど無為、つまりなにもしない。

これが日本人の心理構造とする。

 

そういえば、日本の社長は何もしてくれない方がうまくいく。

彼の周囲を巡る社員の行動の調整役に徹してくれればよい。

思えば天皇は、日本の中心にいて、政治にかかわらない。

 

これは実に平和な社会だ。

中心に意志明確なリーダーは存在しなくとも、

社会は円滑に動く。

 

ただ不気味なのは、責任の主体がないままに、

ものごとが進んでいくこと。

もし邪悪な存在が、外から中心を利用して、

自分が望む方向に強引に引っ張った末、

全体がひどい結果になったとしても、

責任者がいない。

中心には、個性を持った主体がないからだ。

 

そう、これは、何の見通しもないまま、

戦争に突き進んだあの日本の姿そのまま。

 


猫ライオン

 

ニコ・ピロスマニ週間4

 

神獣だ。

 

 


痙攣する北欧の国生み神

 

6月24日、両国のシアターXにて、友人と、

ノルウェーの一人芝居「Territorium」を鑑賞。

 

北欧神話を題材にしたという情報しかなく、

言葉も分からず、内容はよくつかめなかったが、

陽が射さない凍てつく国の独特の幻想に浸ったような気がして、

大いに刺激になる。

 

舞台はこんな感じ…。

 

藁屑で描いた放射線状のサークルの上に、

うずくまってゴソゴソやる烏帽子をかぶった男。

畑に種でも撒いているのかと思ったが、そうでもない。

 

舞台奥の壁に、雲が湧く映像が映って、

けたたましい音の渦が沸き起こる。

男は痙攣したダンスを舞いながら、

エコーのかかる琴をワンワン弾きつつ、

脳天から長い悲鳴のような声を出して歌う。

こちらの鼓膜が限界いっぱいまで震える。

 

その様子から、きっと雲海(藁のサークル)の上から、

下界へ念力を発しながら大地を創造している神の

苦闘を描いているのだ、と勝手に空想してみる。

 

孤独な神よ、

なぜあなたは、そんな悲痛な青白い顔で

世界を創られたもうたか?

 

劇のダイジェストは以下に。

https://www.youtube.com/watch?v=eFNyNUJjs9s

 

 

 

 


眠れない街路樹

 

昨夜、友人と両国で飲み、終電列車を逃す。

しかたがないので、15、6キロか、昭和通りを自宅まで歩く。

 

夜風は心地良く、ペースも快調。

カップルや女性、青年グループなどポツポツ。

ガラの悪いのがいない。

こんな深夜でも、恐怖感なく歩ける東京は、

つくづく平和だと思う。

 

街路樹の上に電灯が煌々。

最上部の葉たちが、オレンジ色に染まって、

風にピロピロ揺れている。

これじゃあ、樹は眠れないのでは。

ストレスになって、枯れやすいとかあるのかな、

と、ぼんやり想う。

 

北千住の橋あたりで、意識が朦朧とする。

右足の付け根が痛い。

両手が、なんかむくれてくる。

 

スーパーで、酎ハイを買って、深夜2時半に帰宅。

2時間半の少々酷な散歩は終了。

 

風呂に入って後、ドタリと眠れるかと思いきや、

体温が上がって寝付けない。

 

ユーチューブでナイトスクープを見る。

不夜城の日。

 

 


奇妙な日常

 

ロベール・ドワノー撮影、

「エベール広場の子どもたち パリ 1951年」模写。

 

 


茶色のドンキーホーテ

 

ニコ・ピロスマニ週間3

 

画家その人の写真から模写。

どこか、ドンキーホーテの風貌。

今、国民的画家と親しまれるが、

貧困の末、町の片隅で死去。

 

彼を描いた映画では、

晩年、人んちの階段下が寝床だった。

ここで息絶えるシーンになるんだと思ったら、

そうでない。

「ニコ、いつまでも寝てないで、飲みに行こうや」と

気のいい友達が、うずくまる蒼白の画家を誘い、

抱えるように馬車にのせるシーンでラスト。

 

悲壮だが、どこかとぼけた風合いの人。


眉毛太し女神

 

ニコ・ビロスマニ週間2

 

放浪画家47歳の作。

独身中年男が惚れた女優マルガリータの像。

 


憧憬の「グルジア」

 

ニコ・ピロスマニ週間1

 

グルジアの画家、ニコ・ピロスマニが描いた

「樽をかつぐ人夫」のラフ模写。

 

この放浪画家は、極貧の中で果てた。

残した作品群は、眩暈がするほど独特。

 

 


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