「ナウシカ」ショック
宮崎駿の『風の谷のナウシカ』全7巻を読了。
学生時代に3巻以上読み進めなかったが、
ついに最後のページまで繰る。
呆然として、しばらくどんな本も手にとる気がしない。
ナウシカは、いろんな世界を滋養にしている。
『堤中納言物語』の「虫愛ずる姫」、諸星大二郎、南方熊楠の粘菌、
宮脇昭の植物生態学、宮澤賢治、ル・グイン『ゲド戦記』、
シェイクスピア『リア王』、『鉄腕アトム』の手塚治虫、
中央アジア辺りの民族文化、流体力学、航空力学、
仏教、世紀末、エコテクノロジー…。
でも、そのごった煮の中で、
さらに新しいものが生まれている。
森羅万象を慈しむ「命の思想」というか。
まだ十分に読み解かれていない作品なのではと思う。
ちなみにナウシカの大きなブーツは、
90年代初頭に、女子高校生に流行った
ルーズソックスのアイデア元だと睨んでいる。