なでしこの国の子



国立歴史博物館で見た雛人形の歴史コーナーにて。プレートに書かれた
ネーミングが、妙にうける。

 

一言居士の番組ジャック



古館さんのニュースステーションをジャックした元官僚の古賀茂明さんのコメントをユーチューブで聞く。彼の発言に関して官邸や方々から圧力があり、番組降板に至ったというニュアンス。ガンジーの言葉まで出してやりすぎ感はあるが、古賀さんの話自体は共感できる。安倍政権が目指すのは、「原発」「武器輸出」「ギャンブル」による経済復興、一方で国民が望むのは「自然エネルギー」「平和」「文化」の大国になることであり、マスコミはそのことをしっかり伝えてないとする。何かあれよあれよと前者の方へ走り出している国に対しての国民側の不安感やいらだちを、一言居士がよくぞ言ってくれたと思えないこともない。ただこの唐突な一幕に、立ち込め始めた言論統制の空気をひたひたと感じる。

 

ホンモノのニセモノ



国立歴史博物館の「大ニセモノ博覧会」へ友人と行く。ジュラから現代までの約300点のニセモノを紹介する意欲的な展示会だ。当企画の目玉、明治の頃に作られた人魚のミイラをとくと見る。実は、上はサル、下は鮭だそうだ。継ぎ目が分かる。外国にも輸出したというが、当時の人々は半信半疑でも人魚を信じたかったのだろうか。アンデルセン童話に出てくる、絵に描いた美人の人魚の方が、自分はよほど好きだが。

またね〜



『アフリカのかたち』から「イドマ族仮面」を模写。葬送儀礼に使われる仮面という。金属の歯がはめ込まれている。イドマ族の祖先の魂は、定期的に帰ってくるとのこと。「お盆」をもつ日本人と似ている。この仮面は、「また、会いましょ」と死者を大らかに送り出している表情。でも生死の境を見通すような凄みがある。このパワーは、現代アートじゃ無理なような。

 

スーッと、無心



仏陀の顔8/瞑想するシャヤヴァルマン七世像の横顔。クメール王朝初の仏教徒である国王だという。仏法で国を統治し、転輪聖王となることを志して、戦乱で荒れた国を再生しようと頑張った。その像の顔は、本当に「無心」という感じで、いいなと思う。

良きも悪きも、なし…。



仏陀の顔7/『入江泰𠮷写真集 仏像の表情』より「伝如意輪観音像」(宝菩提院、8世紀末〜9世紀初め)を模写。「空」を観ている存在の表情…。

 

なんだ、このやろう!



仏陀の顔6/『入江泰𠮷写真集 仏像の表情』より「持国天像 興福寺」を模写。東方を守る守護神のあんちゃん。

 

春の雲



『世界の彫刻 1000の偉業』のフェルナンド・ポテロ作「女性」(1981年)を模写。ポテロという作家名からしてポテッとしている。ダイエット至上主義の当世からすると、反逆的な作風か。暑苦しい肉体という感じはなく、青空にもくもく発達する「雲」という雰囲気。「おおらか」というか。対して、街を闊歩する世のスレンダーな女性は、稲妻のようにビリビリしているような。


 

パワー顔



仏陀の顔5/『入江泰吉写真集 仏像の表情』の薬師如来像(神護寺、平安時代の作)より模写。なんともいえぬ威圧感。薬師如来は、病気を治す医薬の仏、思いっきり「現世利益」の如来だという。それゆえ、現代に比して強烈に恐ろしかったろう病気という魔物を退散させる「凄み」「力」が必要なのだ。仏教が伝来した時の仏像に薬師如来が多いと読んだことがあるが、当時の人々は、日本の土俗の神々を蹴散らす圧倒的パワーを感じたろう。この像に「権力」の匂いを感じる。
 

恐妻家の悲哀?



『世界の彫刻 1000の偉業』より、「本を持つ聖カタリナ」像(チェコ、1400年以降)を、少し誇張して模写。"かかぁでんか"を表現した像かと思って調べてみたら、えらい勘違いだった。聖カタリナは聖母マリヤによってキリストと婚約したとされる聖女。皇帝に対し、キリスト教徒を迫害するのをいさめ、また反キリストの賢者50人を論破。そんな毅然とした才女のカタリナに皇帝は、かえって恋をする。それで言い寄ったが断られたため、彼女を斬首刑にしたとのこと。この像は、地上の権威は一切認めず、唯一キリストのみに身を捧げる女性を彫刻した崇高な作品であるわけだ。ただ聖カタリナに踏みつけられている王様に、なんとなく共感する恐妻家たちが、何世紀にもわたって存在したのではないかと空想してみる。

 

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