非道徳絵本
図書館がいらなくなった本を置いておくスペースがある。持ち帰り自由なので、ときどき覗く。すると絵本作家の大御所・五味太郎の絵本が、あまり汚れてない状態なのに、そこにある。『正しい暮らし方読本』(福音館書店)という小学低学年向けのもの。読むとけっこう過激だ。箸の持ち方なんて、持ちやすいようにもて。道端で眠っていても、気持ちよく寝ている子は起こすな。ケンカしたら仲直りなんてウソで、ケンカの後、そのことについて深く考えるのが正しいケンカのしかただ。しかられるとき、しかる人の気持ちを考えよ。例えばしかる人は、本当に子のためにしかろうとしているのか、たんにむしゃくしゃしてるだけなのか、などなど。ウソを見抜いて、本当のことを考えなさいという本。これは大人向けのだなと思う。図書館が扱いに困ったろう名作。