肉体をお持ちなんですか?

 

手紙3/拝啓 宇宙人様 なかなか言い足りないので、またお手紙します。貴方がたが地球に訪問すべき理由についてです。よく地球征服の陰謀がささやかれます。でも、そんなけち臭いことで来る、というのは信じかねます。一番遠い星まで4光年、行って帰って8光年です。遙か彼方から悠遊と光速に近いだろう乗り物を開発できる技術をお持ちであろう貴方がたなら、自分が食うぐらい困らぬ技術をいくらでも完備されてるだろうと推測できるからです。果たして、物質でできた肉体をお持ちなのかも疑わしい。もし物理的な存在なら、どっかの国に降り立って、がしっと握手ぐらいして、貿易でもしましょうよ、っていうのが人情、いや生物情じゃありませんか。ひょっとして、何か霊的な存在でおられて、我々地球人のさもしい心を反映し「地球征服」なんてビジョンを照り返されてるのか。そんな底意地の悪いことはされず、素直に姿を現され、喫茶店でお茶でもしましょうよ。コーヒーがお口に合うか分かりませんが。 敬具 旅人

宇宙人様、メッセージ求む



手紙2/拝啓 UFOに搭乗している宇宙人様へ せっかく先日お会いしたので、しばらくメッセージを送ります。私は貴方の存在を信じています。その根拠は、私どもを含む、今うじゃうじゃ生きている生物の存在です。この広い宇宙の、無限に近くある星々の中で、地球だけに生命体がいるなんて考え方は、この世の全ての宝くじには当てる奴が一人しかいない、とのたまうかごとく非科学的なものと思っています。科学者の中には、宇宙空間を飛ぶ隕石の表面には生命の元となるアミノ酸が生成されていて、その隕石がいろんな星に落ちて生命の元をばらまいてるという説もあります。ところで貴方の姿は、どんなものでしょう。やはりタコのようなものですか? DNAはお持ちですか。お持ちとすれば、右巻き?左巻き? そんなものもない?地球に多様な生物の姿があることから推測して、きっと様々な体をお持ちとなのだと思います。テレパシーでのお返事、お待ちしてます。旅人 敬具 

あっ、UFO!



手紙1/拝啓 UFO様 お久しぶりです。昨日、足立区上空に残る飛行機雲の横で5分間漂われていましたね。白い船体が、午後四時の太陽の光に煌めいて素敵でしたよ。以前お会いしたのはもう35年も昔でしょうか。当時小学生だった私と同級生の数人が、グランドの上空に銀色の円筒型が浮かぶのを発見。その瞬間移動を目にし、唖然としたものです。UFO様、あなたは今も世界中で姿を現されますが、同一星人なのですか? それとも違う星々の方々が思い思いに地球を訪問されるのでしょうか? 我々はあなた方を「地球征服をもくろむエイリアン」だと妄想するのが大好きで、そんな小説や映画を多くこさえています。実際の所は、どうなんですか? お返事をテレパシーにでも託していただければ幸いです。旅人。敬具  

 

リズム



団地の敷に立つ車止め。なんだか気まぐれな配置だなと思う。トン・ツー・トン・トン・ツー…とモールス信号みたいな。

こゆビーム、ビビビのシビア

 

「許してニャン♥」でブレイク中のアイドル・Berryz工房のももち。ブリッ子のもの言いとと仕草で、相手をイライラさせる「イラドル」と呼ばれている。そうなじられると本人は「かわイラしいアイドルだからイラドルです」と返す。見事なものである。「ももちです」と書いた似顔絵付のボードを持って、和田アキ子楽屋へ、付き人の制止を振り切り挨拶をしに行き、「ももちでぇ〜す♥」と一フレーズやって、その芸能人のドンにさんざん怒られたとのこと。実に根性がある。シビアな芸能界では、なりふり構わず何かを特化させた方が勝ちなのだ。しかし、最近ブレイクする人って、キャラクターをガチガチに固めすぎるように思える。飽きられるのが早いし、世間は一度受け入れたそのキャラクターの枠からはみ出るのを許さない。枠から出れば、無名と同じになる。旬の芸人の「旬」ははかなく、散り行く桜の花のよう。

不機嫌な奴



近所の 閉店して久しい元何かの店。ラーメン屋っぽい。壁がトタン。左側面には、乱雑に土管やら放置されている。「こっちへ来るな、ほっといてくれ!」と言ってるような不機嫌なバラック。ああ、部屋を掃除しないといけないなと、ふいに思う。

クジラの一突きで、消えないで



アナウンサー辛抱さんのヨット太平洋横断は、クジラに船底をつっつかれて終わった。だが、気宇壮大なその冒険心は、世界遺産にでもして守らなければならない。蛮勇、野生の心がなければ、この管理社会はギュウギュウ冷え固まって息苦しいばかりゆえ。昨日の東京都議選は、自民の圧勝。やっぱり巨大クジラの一党独裁に戻るのか。第二極やに第三極やらは、その巨魁の一突きでモタワモワ消えるただの霞だったのか。もっと実体のある丈夫な船底やらマストやらを組み立て、ふてぶてしくタフに泳ぎわたってほしいもの。

しょうゆ麹の「富士」

 

富士山が世界遺産登録された。これで色んな商売ができ、経済が盛り上がるのだから良いことである。日本のシンボルが世界に認められ、日本人のナショナリズムも大いにくすぐれたわけだ。しかし、私にとっての日本の心は、どちらかというと食う気の方に傾く。一週間前に、『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』に学び、しょうゆ麹をつくる。毎日臭いをかぎ、醗酵ぐわいを確かめるが、それだけで舌の味覚を刺激され醤油酔いした。昨日、艶やかに茹でたサトイモの山頂に、完成したしょうゆ麹の、茶色の雪を載せる。これぞ、ニッポン、フジヤマである。将来、異国の地で暮らすことがあれば、日々悩ましく脳裏に浮かぶのは、取り澄ました富士山ではなく、きっとしょうゆ麹の「富士」である。

「壮大な愚行」を読了



『戦争×文学』再読1/先週、集英社の『コレクション 戦争×文学』全20巻を読了。日本の作家による戦争をテーマにした短編を、テーマごとに各巻まとめたもの。小説という手段は、「戦争」を描くためにあるのかと思うほど。これからは、気になった作品を散発的にでも再読していくつもり。上の絵は、第八巻「アジア太平洋戦争」の掲載の火野葦平作「異民族」より。インパール作戦の前線前の日本兵士の姿。前線に物資を運ぶ兵士が、飢えのため、ダイナマイトを食う。甘くて腹の足しになるらしい。人を殺す物を、生きるために食う。戦争は、生きるために、ある人々を殺す行為だから、ダイナマイトを食うことは生理からの戦争否定といえる。花火の絵ばかり描いた、放浪の画家・山下清が「火薬をずっと花火に使っていれば、戦争なんかしなくていい」と言ったが。同感である。

都会のアリ



コンクリートのミキサー車。都市をつくるアリの一匹。昨日書いたことと矛盾するが、ごちゃごちゃ複雑なパーツが組み合った人工物である乗り物にひかれる。黄色いミキサーの傾く角度とか、やけに大きくたくさんあるバックミラーだって、いろんな計算や実験から設計されたものだろう。子供の頃、『乗り物図鑑』というのがあって、眺め暮らしたことを思い出す。そうした感覚というのは、歳をくってもなかなかぬけないものだ。このミキサー車を開発した人は、きっと楽しく仕事したのだろう。

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