業界をえんえんと回す方法



流行らせたいものを、「流行りますよ」と先にポーンと言う 。世間の人は、「あっ、流行るのね」とそれを買う。買う人が増えるとそれは「流行っている」状態になり、ますます多くの人々がそれを求める。流行ったものはやがてすたれる。でも20年もすれば忘れ去られるので、新しい流行りとしてまた使う。「レトロでしょ」と言って売るもよし。実にうまい手だなと思う。このファッション業界の手法を、流行らない業界で導入すればどうか。

色、噴き上がる



おとぼけ街路樹6/だんだんサイケになっていく。これ以上やるとゴッホの方面に行ってしまう。シャワーをあびて、頭を冷やそう。

木のタコ踊り



おとぼけ街路樹5/ 暑いとき、思わず踊って水を求めたくなる樹木の気持ちになってみた。

縄文的。



おとぼけ街路樹4/縄文の火炎土器の模様のよう。渦巻きが咆哮している。その線に沿って原色をでたらめに塗ったら、原生林に暮らす民族のお面に似る。…とぼんやりしていると、ママチャリを猛スピードで走らせる女の人が、傍を通り過ぎる。携帯を耳にあて、涙を流して何かしゃべくっている。込み入った話をするなら、落ち着いてやればいいのにと思う。怒涛の情念、縄文。原始人。原始人の踊り。
 

緩む



おとぼけ街路樹3/朝は早春、昼は夏という日々。街路樹に巻かれるサラシも、寒いのか暑いのか混乱して、だらしなく緩んでいる。樹は黒く、できそこないのミイラみたいだ。放射能漏れだのエライさんのセクハラだの、世の中のサラシも緩む5月末、泣きの梅雨前。

乗っけすぎ



時々、変な勧誘メールが届く。特に昨日来たやつはあきれた。「アベノミクスの波に乗って、一億円稼ぐ切符を、あなたは手に入れたも同然。このホームページにアクセスを!」というもの。最後の一文は、「このビックウェーブに乗るのは、今でしょ!?」と、予備校講師のCMの決めゼリフでしめている。ここまで流行りに乗っかるコピーもたいしたものだと感心。『妖しい勧誘メール年鑑』を作って掲載すれば、この時代の雰囲気が記録できて面白かろうと思った。

街路に、湯の薫り



おとぼけ街路樹2/鼻の黒い、日に焼けた人が、バスタオルを胸に巻いて、伸びをしている斜め後ろ姿、に見える。うなじや肩のような樹肉の盛り上がりが妙にリアル。葉はアフロ風の天然パーマのよう。また、下の部分を目と鼻に見立てると、顔の長い、二本の角を生やした化け物、に思える。
 

フォォ〜ッと叫ぶ



 

おとぼけ街路樹1/駅へ行くまでの街路樹の幹を次から次へと歩きながら眺めてるといると、その異様な形態に「ん」となる。上の木なんか、口を開けて叫ぶよう。口に見える中央は黒いシミだが、ここだけ湿ってるのだろうか。ならばなぜ湿るのか。唇みたいな白い線は、渇いた粉のようだ。艶やかな葉を芽吹かせてるから健康体の木なのだろうが。また沢山のこぶが顔に見えてしかたない。そうだ、トルコのカッパドキアで見た、岩にうがった家を思い出した。



この頃、植物をまじまじと見る。なんでこんな変な形をしてるんだろうと思う。日本画家の描く植物は整然ときれいで、葉は虫に食われてない。でも、現実の植物は、入り組んで、傷だらけだ。そこのところを見てると、あんたも大変だねぇと声をかけたくなる。
 

ホワイトホール

 

仕事も情報収集も娯楽もパソコン。目と指がきしむ。特に現実が架空じみてくるのが良くない。パソコンの電気の画面に、体が吸い込まれそうだ。もっと取材をして、生の言葉を仕入れなければ。

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