5億人の友人も、孤独を癒さない
渋谷シネパレスで話題の映画「the social network」を見る。世界最年少の富豪で、「フェイスブック」の創設者マーク・ザッカーバーグの実話。「フェイスブック」とは、ネット上に自分の実名と顔写真、プロフィールを公表し、紹介で友人を増やしていくというもの。ハーバード大生のマークは、天才プログラマーで、ガールフレンドにふられ酔った勢いでつくったサイトが2時間で2万アクセス。その後、ネットのハーバードコネクションをかすめ取り、フェイスブックを創設。映画は、共同事業者の友人とハーバード大の若者が訴える裁判の進行を元に展開していく。「会話のアクション」のようでスリリング。マークにとって裏切りも失恋も意図したことではない。いいも悪いも突き抜けて「フェイスブック」にのめっていくマークの情念が圧巻。その奥に、ただ人とつながりたい孤独な男がいる。オーソン・ウェルズ「市民ケーン」の21世紀版。