夢二へのレッドな発見

 

レッド5/イラストルポライターの師匠がいた! 竹久夢二美術館で展示していた「東京災難画信」を見て、面食らった。大正12年9月1日に発生した関東大震災の被災地を、夢二が駆けづり回って描いたスケッチと文章だ。「都新聞」で連載したイラストルポである。簡潔で情感ある線に、独特の警句のような文が冴えている。上の絵は、不忍の池の端で煙草を売る美しい娘。売るものをすべてなくした時の娘の先、身を売ることを案じている。その前の文で、命助かった被災者の商人が、一銭でも多く銭を得ようとする欲の際限のなさを描く。シメの文では、そんな世相に佇む娘を想い、「恐怖時代の次に来る極端なエゴイズムよりも、廃頽が恐ろしい」と結ぶ。夢二の造形した美人画にどこか影があるのは、こんな現実をきっちり見ていたからだなぁと思う。ツァラトゥストラの言う「血でもって書く」を感じる。夢二にレッド的共感を抱く。

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