樋口一葉ブルー

 

ブルー6/ある健康食品の広告冊子で、1P分読み物をつくれという仕事。テーマは自由なので「歌碑」にした。そこで自転車20分の台東区竜泉にある樋口一葉の歌碑と記念館を訪れる。その前に、この人の作品や日記を初めて読んだ。「24歳で夭折した薄幸の人」というイメージが覆る。えらく強い人だと思う。父親が亡くなって戸主となり、樋口家を養う。貧乏なので新吉原の色町に住み、駄菓子屋や、遊女の代筆屋、小説を書いて生計を立てる。金を持った男も言いよるが、それをはねのけて自主独立で作家稼業を続ける。当時の著名な男性作家が、ボンボンのインテリで理屈ばかりこねるのとは違う。社会の実相を生活者として観察している。一方で「私の志は国家の根本問題にある」と社会的関心も高い。女性の立場が厳しい明治初期を考えればとてつもないバイタリティである。だからこそ一葉が描く恋は、深く清らかなのか。そこはブルーの深淵。

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