「悪」というエネルギー

 

哲学5/中村雄二郎著『述語集供戮痢岼」より。「悪」は後ろ暗いだけでなく、前向きの面もある。古い関係を壊し、新しい関係をつくり出す、大きな力になりえる、と。著者の中村氏は、日本中世13〜14世紀頃に現れた無頼漢「悪党」に無頼漢に注目。行き詰まった鎌倉幕府を倒す、アウトローたちだ。幕府に反旗を翻し後醍醐天皇の建武の新政を助けた人、「楠木正成」の名もさらりと出す。悪とは、構造に劇的な変化をもたらす荒々しいエネルギーそのものに思える。だとしたら、悪は、道徳や倫理を超えて、人や社会には時として必要なものなのか。悪の破壊によって蹂躙される存在が現れるのは、歴史が進んでいくにはしかたのないことか。ただ、荒れ狂うエネルギーを、「善」だの「悪」だのといった、人間社会の価値基準(個々の文化、歴史の推移でどんどん変化する)で見ることこそ、ナンセンスなことなのか。やはり哲学の道は、いつも袋小路に…。

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