プロローグ「戦争体験」

 

集英社「戦争×文学」1/戦争を知らない。しかし、不思議とうっすら体験したような気がしている。それは10歳か11歳の頃か。昭和53、4年に開催された戦争展で、太平洋戦争での日本軍の遺品を見た。弾痕や焼けこげ、血の痕があった。現場の阿鼻叫喚を察知して、ゾッとし、押し潰されそうになった。外に出ても今の時間に戻らなかった。抜けるように青い空と白い入道雲は、奇妙に明るく、変だった。戦争の暗さと比して、あまりにあっけらんとしていた。その時、晴れ渡っていたという1945年8月15日終戦の日の空の下に、確かに自分はいる、感じた。子供の無防備な心は、一瞬時空を超えたのではないかと、今でも信じている…。では、戦争の本を読み進めよう。

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