実習、終わり
2号警備の実習1.5日のカリキュラムを追える。
ここの会社の仕事は、
「建築現場における工事車両の交通誘導」とのこと。
つまりハウスメーカー、ゼネコンの現場に行くことになる。
ハウスメーカーについては、
前の雑誌社の仕事で、批判的な記事を大いに載せたもの。
因縁の存在だ。
四人の受講者の1人である
警備経験者のツワモノに聞いたが、
屋外の交通誘導で一番つらいのは、夏の暑さでも
冬の寒さでもなく、そぼふる雨だそうだ。
体の外側は雨、中は汗まみれのずぶぬれで
長時間つっ立っていると、
みじめな気分に落ち込むという。
それを緩和するために、いろいろ知恵が必要だ。
建築現場の仕事でいいのは、工事の都合で
半日、ニ三時間で終わることが結構あるということ。
渡された誘導灯をピカピカつけていると、
やや憂鬱になる。何をやってんのか…と。
自分がプロのライターである、
というアイデンティティは
しっかり持たねばなるまい。
この仕事に染められてはだめなのだ。
むしろ、ライター業で
染め返さねばならない。
いつか、警備の現状から
「人」「組織」「産業」「日本」を考察する
文章を書かねばなるまい。