フェリーニ!

 

レンタル店で、

フェデリコ・フェリーニの『カサノバ』を借りる。

何度か見たが、まさに映画の古典で、

見るたびに深みにはまっていく。

 

ドンファンであるカサノバの女性遍歴を描いたものだが、

厳粛な悲喜劇といっていい。

カサノバ扮するドナルド・サザーランドの顔に、

フェリーニ監督は心底惚れたようだ。

カサノバの内にある

高貴な精神と性衝動が暴れる肉体との葛藤と分裂が、

サザーランドの顔そのものに、すでに表現されているからだ。

彼の屈折した芸術顔が、この巨大映画の大黒柱である。

 

冒頭からこれでもかという巨大セットと群衆が繰り出す。

いったいどんな予算でやってんだと思うのが

フェリーニ映画である。

ワンシーンワンシーンが、巨匠オリジナルの大絵画なのだ。

画面に登場する群衆のすべての顔が、

フェリーニに選び抜かれた愚者顔で、

構図や動作、出てくるタイミングで

みんな絶妙な「絵」になって笑える。

 

ギリシア悲劇につらなるヨーロッパ芸術の分厚い文化伝統を

凝縮させて、フェリーニ味に焼きあげたフェリーニ映画は

自分にとってかなり異質で、何度見ても文化酔いする。

生涯、理解できないのだろう。

しかし、なぜか変に強い郷愁を誘う。

タイムスパンを空けて、たまに見たいフェリーニ映画。


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