健康の秘訣は「澁澤龍彦」

 

澁澤龍彦の本を読み返す。

マルキ・ド・サド侯爵、泥棒作家のジャン・ジュネ、

異端の宗教学者のジョルジュ・バタイユ、

黒ミサ、サバト、秘密結社…。

 

西洋の暗黒世界に耽溺する文章は、

20代の頃、圧倒的な魅力を放っていた。

その影響や余韻は、ずっと体の奥に残っていて、

良い「心の解毒剤」となり続けている。

 

ある事件や目の前のことがらの不条理に対して

正義感や義憤にかられたとき、

渋澤氏が描く人間の悪魔的面が

すーっと意識の彼方からやってくる。

その巨大な世界に対して

「正しい自分」がちっぽけになり、

心身冷えてくる。

おまえは、他者をなじるほど

清らかな人間なのかと。

 

人の心は、広大で深淵。

皮相なジャーナリズムが告発する善悪では

とても推し量れない。

推し量れない上に、

倫理観のすっきりした市民社会が成り立つのだ。

その皮一枚下は、

アモラル(無倫理)な風が吹いている。

そう実感することが、

明朗健康に生きる秘訣である。


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