たこ焼き的真理

 

中身がトロッ、外はサクッの

たこ焼きをつくろうと、日々、悪銭苦闘している。

 

たこ焼きひっくり返し棒を両手に持つと、

妙に興奮して、やたら作成中のたこ焼をつついてしまう。

動画で見たたこ焼き屋のように、

クルリクルリとやりたく思うからだ。

 

なにせ家庭用の電熱器で熱するので

温度がいまいち上がらず、なかなか固まらない。

そこで中途半端にかたまりかけるものを、

グチャグチャとこね回すだけになる。

すねと中身は均一的にかたまり、

トロッ感が失われていく。

 

7回も焼いてみて、ついに分かった。

練粉を鉄板に入れて20分はいじらない。

外がしっかり「皮」となって、90度ひっくり返す。

そこであとの練粉をぜんぶ流す。

たこ焼きの輪郭を、確実につくっていこうと待つ

忍耐こそ必要である。

 

さらに20分待つ。

ここで、ひっくり返せるものだけつつく。

 

さらに20分待つ。

この頃、全たこ焼きの皮が硬くなる。

つついてクルクル回せるのは、この時以降。

 

つまり、60分は、じっと待たねばならない!

 

たこ焼き的真理を体得する。

ものごとは、時が満ちるまで、待たねばならない。

満たぬまま手を入れるのは、愚行である。

それは「過干渉」という破壊行為にすぎない。

教育でも医療でも個々人の成長にも

言えること。


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