消防博物館に行く

 

四谷を通りかかったので、

ふと消防博物館に入ってみた。

 

江戸時代の火消が展示されていて、楽しく見る。

当時は水ポンプもたいしたものがないから、

燃える建物を壊して消していたようだ。

模型でその様子が再現されていてよく分かる。

 

あとで調べると、

江戸はしょっちゅう大火事が発生し、

武家屋敷や民家が広範囲に焼かれたとある。

10年も住んでいると1回ぐらいは焼け出されてしまう。

それゆえ、火消のシステムは整備され、

複雑化していく。

幕府、大名、民間の3つの系統ができ、

火事になると各々が縄張り争いをおっぱじめたらしい。

民間の火消の兄さん方は、

権力者に対する日頃のうっ憤を、

武家火消の兄さん方への派手な喧嘩で晴らした。

 

当時の建物は木造だからおおいに燃える。

しかし、裕福な商人が所有する

土壁の土蔵は燃え残った。

もし彼らが火元の場合、世間体が悪いということで、

燃えずにいた土蔵の一つに、あえて火をかけたという。

この辺が日本人っぽい。

 

ところで、消防博物館は、子連れで一杯である。

消防車の実物の前に、

無人のベビーカーがずらり並んでいることに驚く。

館側がセッテングしたもので、

一般来館者の赤ちゃんの「観客席」なのか。

子どもの消防士好きを改めて実感する。

とくに男の子だが、勇者へのあこがれは、

人の感情の基礎部分にある。

 


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