イスラエルの劇を見る!

 

先日、友人と、劇場東京・両国シアターX(カイ)にて、

『生きることのゆらぎ』を観劇。

イスラエル発の演劇で、同国の作家S.イズハルの作品を

やはり同国のルティ・カネルが演出したもの。

第1部「湖を歩く」、第2部「海みを泳ぐ」の2作。

 

13、4歳の男女の恋を描いた、第一部が好きだ。

メインの男女の他は、自然や動物、2人の心の中を演じる。

海辺の波は、舞台に大きく広げられた紙(分厚い和紙?)を

俳優が持ち上げたり揺らしたりして表現。

恋を始めたばかりの男女のドキドキと、

紙の波がの揺れが共鳴し、

見てるこちらもドキドキしてくる。

彼らの恋を邪魔するのは、スキンヘッドの男優演じる犬。

たくましい筋肉質の人で、少女を演じる女優の体を

ベタベタさわるシーンがひどく肉感的だった。

女優さんもかなりグラマーな人だからだ。

強烈に立ち起こってくる思春期の「性」のどう猛さを

描いているのだろうか。

 

第2部は海で溺れる男の心象風景を描いたもの。

1人の女優が溺れる男を、後の4名は男の「心理」を

演じているようだ。

 

カネル監督は、俳優の演技をより強く実感してほしい

との意図で、字幕を一切使わない選択をした。

俳優たちの動きや心理を生々しく体験できたが、

やはり劇の内容がよく分からなかった。

もともとパントマイム劇ではなく、セリフ劇だからだ。

文芸映画を翻訳なしに見るようなものである。

あとで原作の翻訳を買って読むが、

この劇はそれを読んでから見た方が楽しめると思った。

例えば、1部の湖はキリストが湖面を歩いた「ガリラヤ湖」であるが、

このワードがどう劇につながってくるかは、

セリフで認識したいところ。

 

また、このイスラエルの劇団の人たちに、とても好感を持つ。

気さくでとにかく明るい。

観客にしきりとアイコンタクトをとってくる。

どうもきな臭いイメージしかわいてこないでイスラエルの人が

陽気なのは、実に意外な感じがした。


| 1/1PAGES |

このサイト内を検索

携帯ページ

qrcode