最も優れた知的生命、誕生

 

大隕石の落下で、地球生命の99.9%が死滅してしまった。

地下都市に暮らしていた人類は、退化し、

隕石落下の阻止の技術もすでに失い、

火に覆われた大地の熱にやられて絶滅。

 

それから1000年後、

焼けただれた荒野から、新しい知的生命体が

すっくと立ち上がった。

ハエ人間である。

放射能によるDNAの改変で、

短期間で異常成長。

かつて地球上に現れた、

最も優れた生物かもしれない…。

 

続く。


ハエ人類、地表を覆う

 

ハエ人類 2

 

高度な知的生命体である

ハエ人類は、何千億、何兆、何京人に増え、

荒廃した地球の表面をびっしりと覆った。

人類のあなたが、この光景を目の前にしたら

実におぞましいと思うであろう。

しかし、異常繁殖ではない。

計画的繁殖なのだ。

 

ハエ人類が今猛烈に行っているのは、

放射能やあらゆる化学物質に汚染された大地を

食べつくし、胃の中で浄化し、

あらゆる生物の肥料となる土の元をつくり

肛門から排出すること。

 

1年と立たぬうちに、

ふっくらした土が大地を覆った。

ハエ人類の99.9%は、

自ら屍となって肥やしとなり、死に絶えた。

だが、絶滅はしていない。

0.1%は生き残った。

計画の通りなのである。

 

このずば抜けた知的生命体は、

いったい何をやろうとしているのか、

どういった能力を持っているのだろうか。

 

つづく。

 

 

 

 


「大きな私」と「小さな私」

 

ハエ人類 3

 

ハエ人類の意識構造は、複層的だ。

 

身体は現在のハエと同じで寿命は1年。

脳も同様の大きさだが、機能は人間の100万倍である。

現存する1000兆人の個体は

それぞれ「私」という意識を持つが、

同時にその意識を「大きな私」一人が集約する。

 

個々の個体が死んでも、その思考や記憶を、

「大きな私」はずっと保つことができる。

そして「大きな私」は、一人のハエ人間として

思考し記憶を保持することができる。

個々の知見が積み重なることで、

思考力は時が経つほどに研ぎ澄まされていく。

「大きな私」は

個々の個体が無くならない限り、

意識と思考を、永遠に継続させることができる。

 

しかも、個々の個体にも、明晰な「小さな私」があり、

それぞれ独特の生涯を送る。

「小さな私」は、森羅万象、あらゆる生命体から

無機物に至るまでテレパシーにより「意識」を

通わせることができる。

そこで得られる「会話」は、

汲めどもつきぬ知識の源泉であり、

ハエ人生の大いなる歓びである。

さらにその知見は、「大きな私」が貯えてくれる。

 

ハエ人類には、通信機関や印刷物、映像媒体などは

一切必要ない。

自身の脳内に映し出される記憶やイメージが

貴重な資料であり、娯楽である。

 

なんといっても最大の楽しみは、

「大きな私」と「小さな私」との対話である。

「小さな私」は1000兆人もいるのに、

「大きな私」は混乱しないのか?

もちろん、混乱しない。

しかも、すべて「小さな私」は「大きな私」と

思考と記憶を共有している。

この二つの精神は並列しつつ、

同一なのだ。

 

つづく。


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