1秒の夢

 

『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』

クリストファー・ロイド著(文芸春秋)を読み出す。

まあ、面白い。

 

137億年を24時間のスケールで見るなら、

人類が現れるのは、23時59分21秒。

採集狩猟民が活躍するのが、23時59分59秒からで、

現代はその1秒後となる。

 

あんなにいろんなことがあって、

悲劇悲喜劇、人類の莫大なつづれ織りが、

たった1秒。

 

コロナなんて、宇宙大の歴史から見れば、

一滴の波紋のごとく。

 

 

 

 

 


ぶさいくな御先祖

 

今、「137億年」を、気ままに旅している。

もっとも、文字の上だから旅費もかからない。

 

上は、「カバとブタを足して2で割ったみたい」な

リストサウルスだ。

斜め上から見た図で、ぶさいくを誇張。

愛嬌あって、心惹かれる。

 

2億5000万年前のペルム記、

地球上にいた種の90%が消滅した中、

単弓類で生き残ったのが、

このカバブタさんである。

 

どことなく情けない姿だが、

当時一つの陸地だったパンゲア大陸の覇者である。

科学者ヴェーゲナーが、

世界の陸地がかつて一つだったことの論拠に、

リストサウルスが五大陸いたるところにいたことを

あげている。

 

この生き物は、哺乳類の御先祖だから、

生き残っていなければ

われわれは存在していなかっただろう。

 

仏壇に、こうした古代生物も

「ご先祖様」としてお祀りすれば、

仏教はもっと豊かな宗教になるのではなかろうか。

 

 

 

 


のんびりした弱肉強食

 

137億年の旅 3

 

ペルム記の前半(2億8000万年前から2億6000万年前)、

単弓類で最も成功した種のひとつは、

ディメトロンだ。

 

特徴は、背中に垂直に立つ「帆」。

「熱交換器」として使われる。

その全面で日光を浴び、他のどの動物よりも

早く体温を上げて動くことができる。

だから、まだ動けない獲物を効率よく捕獲。

 

その熱効率はというと、

26度から32度までに体温を上げるには、

帆なしでは205分かかるが、

帆ありだと82分しかかからない。

と、いう具合だから、

哺乳類全盛時代に生きるわれわれからすれば、

ずいぶんのんびりした世界だなと思う。

 


変な奴、これを食ってみろ

 

137億年の旅 4

 

4億8000年前、「カンブリア爆発」が起こる。

火山や隕石衝突の爆発でなく、

カンブリア紀に、生物の種類が爆発的に増えたことをいう。

 

生物の形として、ありとあらゆる「実験」がなされた感あり。

奇妙なものがウジャウジャと現れては消えた。

 

オパビニアも変な奴の一種である。

眼が五個あって、ゾウの鼻のような長い腕で

獲物を捕らえた。そのまま飲みこんだのだろうか。

おにぎりを食わしたら、美味いと思うだろうか。

 

この生き物の百家争鳴を見ると、

生命の進化なんて、行き当たりばったりだと感じる。

そもそも「進化」というのが正しくないのでは。

生命の「進行」と言った方がいい気がする。

ただひたすら、得た形体を環境に合わせて

変化させていくわけである。

 

人類だって、環境に合わなくなれば消えていくだろう。

万物の長ではない。

ある生命体の「極端」な在り方にすぎない。


空飛ぶ恐竜

 

137億年の旅 5

 

「ガリガリ食うたろか〜」と

ギザギザの歯を見せる鳥。

1億4000万年前ほどに生息していた鳥の先祖である。

鳥は恐竜の子孫だったわけで、

恐竜は羽毛を持っていた。

最近の恐竜動画では、もさもさ毛を生やしたのがいる。

 

現在の鳥は、くちばしの中に獰猛な歯はない。

しかし、始祖鳥のように、

目に表情がなく不気味だよな。

爬虫類の覚めた目。

 


器用な人

 

137億年の旅 6

 

200万年まに現れた最初の人類

ホモ・ハビリス。

身長は約1.3mと小柄。

 

脳みそ各段に増えて、知恵がまわる。

石を握って獲物に投げつけしとめられるし、、

石を使って獲物の肉を骨からこそげとったりできる。

 

「器用な人」というのが、ホモ・ハビリスのあだな。

 

137億年を24時間としたら、

23時58分43秒。

NKH紅白歌合戦が終わった後の番組の

寺の108つの鐘の音がそろそろ終わって…

というタイミングだろうか。

 


典雅な古代文明

 

137億年の旅 7

 

クレタ島に栄えたミノア文明は、

とくに身分の違いのない平等な社会だったようだ。

紀元前3300年から紀元前1700年、

つまり1600年も続いたということだ!

古代文明は息の長いものが多い。

 

クノッソス宮殿から発見された

フレスコ画が素晴らしい。

 

当時人気だったスポーツで、

「牛とび」が描かれている。

牛の背をとんぼ返りして、

牛の後方に着地するというもの。

 

女性の身に着けた世界最初のコルセット姿が

お洒落である。

 

この女性がはつらつとする典雅な文明の後、

世界は、ヒッタイト王国に始まる戦争の文明に入っていく。

金属やら、馬やら、車輪やらが

暴力装置三種の神器として大いに活用され、

人は大いに殺し殺される。

そう、男の文明だ。

 


これが災厄の大元だ

 

137億年の旅 8

 

紀元前2000年頃から、遊牧民も定住民も、

各地の文明は武装しはじめる。

 

ヒッタイト人、フリル人、ミケーネ人の

王国は、次々と恐怖の三点セットを重宝。

 

青銅器の武器、強い馬、軽やかな車輪を持つ戦車である。

137億年を24時間に圧縮すると、

この三点セットは、1秒未満で、「核兵器」に化ける。


ヴィレンドルフのヴィーナス

 

137億年の旅 9

 

先日の武器の世紀からさかのぼる。

2万4000年前のヴィレンドルフのヴィーナス像。

1908年にオーストラリアで発見された。

 

でっぷり肥えた多産の象徴である女性像である。

この頃は、狩猟が生計の手段で、

身分もなく平和な社会だったらしい。

洞窟画や笛なんかがあり、芸術、音楽もあった。

「女性」が精神的支柱の世界である。

 

マッチョな男たちが武器を持ちだして、

中央集権な社会をつくり出してから、

文明は急速に発展したが、

殺戮や争いで血が流れる。

それは宇宙史からいえば、ごく最近のこと。

 

 


憂鬱な発見

 

137億年の旅 10

 

『137億年の物語』をつらつら読んでいると、

ヨーロッパの黒死病のくだりが出てくる。

 

1347年から1351年で流行し、

ヨーロッパの平均寿命が35歳から17歳になるほど

莫大な人が死んだという。

4000万人以上の死者で、総人口の半分以上。

社会構成が変わってしまっている。

 

気になるのは、

この大禍の原因が、

1330年第初頭に中国の湖北省で

発生した黒死病であるという記述だ。

その病気を西のヨーロッパに運んだのは、

シルクロードを行き来していたモンゴルの商人だという。

 

まてよと。

新型コロナウイルスの発祥地、

武漢はどこにあるかと調べると、

「湖北省の東」とある。

 

なんだ、黒死病と同じじゃないかと思う。

『137億年』の本は、2012年発行だから、

コロナを意識したわけではない。

 

黒死病、コロナ、発症の地と

なにか関連があるのだろうか。

 

また、黒死病は4年続いたわけだから、

コロナも数年続くとした方がいいのか。

 

 

 

 

 

 


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