火星の地球化計画にロマン



宇宙ものは結構好きである。特に何世紀もかけて火星を地球化するというプロジェクトは、計画者の寿命を遥かに越えた所で、あーでもない、こーでもないとやるのがロマンだ。ただ、空恐ろしい人口爆発への対応策である。人類という種は、生物として異常繁殖しすぎているのでは、とモヤモヤ思う。 

石油の大本は、生き物



丸善石油の制作(1960年)。石油は、太陽エネルギーを光合成で有機物にする生物、それを食べる生物の死骸が降り積もってできる。いはば自然の贈り物であり、人間はただこれを搾取して繁栄しているにすぎない…と感慨にふける。ところで、記録映画はかつて大企業のスポンサーでたくさんつくられた。科学映画もその系譜で名作が生まれた。NPO法人科学映像館のHPがまるごと無料配信している記録映画をぜひ見てほしい。自然、科学、医療、産業、文化などの選りすぐりがそろっている。
http://www.kagakueizo.org/movie/nichieikagaku/


深層の心の地面を割る雫



このゾクゾクする奇怪さをお伝えできているかどうか。以前、阿佐ヶ谷の映画館で見てから頭からこびりついて離れないアニメ。その断片をユーチューブで発見、時々見る。雫の音がする度に、夢の世界が振動していく。雫は黒い地面を割り、二人の男は地下に吸い込まれ、眠る女の目に。深層心理の奥の奥の宇宙のリズムを、体全体で感じるような。こんなアニメをつくるプリート・パルンは怪物だ。ぜひ、ご覧あれ。

http://www.youtube.com/watch?v=jc74b8gSOmo


狂気の映画「ミルクマン」、青春完結



大学同期の友人の映画。 1990年作。「ミルク」という日常性のシンボルのような飲み物に、非日常の狂気の世界がつながっている。ミルク欲しさに、もだえ苦しむミルクマン。彼がミルクを飲むのは、幻影に現れる美女のためだったのか。2006年のパート2では、ミルクマンはやはり中毒に震え、ついに車に引き殺されてしまう。天国で待っていたのは、彼が恋い焦がれたあの幻影の美女だった。それを祝福するがこどく、スタッフ総出で画面に出て、ミルクマンと美女ともども踊りまくるのであった。ああ、青春、ここに完結せり…。映画CD販売は以下HPにてお問い合わせを。
http://web.mac.com/dongurimanako/iWeb/Site/HOME.html

中年の子供サラリーマンがゆく

 

第8回8ミリ・16ミリフィルム映画祭にて。大学映像学科の友人らが、今も変わらず映画制作を続けている。上の作品は、着想がすごい。大人の境遇でもって子供の心で街を歩けば、すべては奇妙キテレツ。大人の時間は強固とした「常識」というルールに即して流れるが、それをとっぱらったら、どんな時間が漂うか。変な音、痴態、ざわざわした茶色の空気…。

抑圧と暴力の世界に、息苦しくなる



人間の心の闇、暴力をギリギリと描くハネケ監督の映画。 村は、大地主としての男爵と、牧師のコンビでがっちり統治されている。医者はインテリとして。彼らは封建時代の権威であり、抑圧機構だ。小作農の村人は、その支配への恨みを鬱積。子供たちはしつけと称する大人たちの精神的暴力にさいなまれている。冒頭から、村には次々と、死亡事故、放火、障害児の虐待など不可解な事件が発生。映画は子供の仕業かと思わせぶるが、謎は解明されない。ナチス台頭前夜の不安にみちた空気が重苦しい。そこには、愛情や命の輝きなんてかけらもない、冷え冷えした世界が広がっている。こうした世界をつくってしまうのも、やはり人間なのである。

ヤマトに関する気になること

 

最近アクセス数がふるわないので、ホットな話題に。「宇宙戦艦ヤマト」は、何をかくそう生涯初めて見た映画で、子供心にかなり夢中になった。今、その実写版を見ると、ストーリーに対して違和感を覚える。戦意高揚映画の系譜に思えてしかたない。ヤマト体験以降、いろんなものを見すぎたのかもしれないが。

希望的観測



上のストーリーの詳細は省くが、ヤマトが戦艦大和をモデルにしているなら、先の大戦と重ねて見てしまうのはしかたない。山本五十六が、「暴れられるのは開戦後半年だけ」と真珠湾を攻撃した。が、アメリカとの圧倒的物量の差から考えれば、その後の敗戦は論理的必然。当時日本の軍部や政権にあったのは根拠のない希望的観測の勝利だけ。映画のヤマトも、大局的な戦略も立てられない状況に追い込まれている。そこからやぶれかぶれのヒロイズムが生まれてくる。

冬だ、黒木メイサだ

 

今年を振り返り、なにか「賞」してみたくなった。第一弾はCMで。「UNIQLOダウンジャケット」は名作。女が街で、男が森で、交互に「冬だ」と、詩のフレーズをつぶやく。凍てつく寒さの青い映像に、互いの想い、切なさが引き立つ。そして二人の気持ちの高ぶりが、ダウンジャケットの「ぬくもり」のイメージに収斂していく。黒木メイサは、その表情で、ざらついた心の奥底をにじませる。

http://www.youtube.com/watch?v=SEaxbeb7WRg



リー・バンの懐かしい不敵の笑み

 

最近ユーチューブで過去のCMを見ると、時代のカラーを感じて面白い。自分が子供の頃って、おっさんの、それも外国の名優がよく画面に登場した。リー・バンもそうだが、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、ジェームズ・コバーンとか。「男臭い」=「かっこいい」が通った時代って、まだまだ男の社会だったのか。今の日本は、女性(文化)がどんどん強くなっているように思う。セーラー服姿の少年たちが、少女の軍団と海岸を進むCMなんか見ると、そう感じてしまう。

http://www.youtube.com/watch?v=aj4Tz9mIdoU


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