罰せられた豚

 

妙な英単語1/学生時代、苦手だった英語。その時、お世話になったのが三省堂のグローバル英和辞典。今も本箱にある。改めてめくると、たまに変な挿絵が妙な英単語を説明していて楽しい。そのキテレツさをご紹介しよう。第一回目は、「ガーゴイル」と呼ぶ樋。豚のような怪物が「ガラガラガーゴイル〜」とうめきながら、苦しそうに水を吐き出し続けているような。豚は何かの罰を受けて、雨樋にされたのだろうか。下の笑う男は何なんだろう。悪魔の親戚で、豚の見張り番なんだろうか。この英単語は、絶対試験に出ないだろう…。

人類平和体操

 

妙な英単語2/「sign(記号、標識)」から派生した用語の紹介。妙な英単語ではないが、挿絵に味があって取り上げた。「サイン・ランゲージ」は特定の言語を身ぶり手ぶりで表現するわけだから、英語圏なら英語圏でしか通じない。でも下のインディアンの仕草のように、全言語圏でなんとなく通じそうなサインもある。アジアやイスラム圏を旅した時、幸せそうな顔をして、お腹をポンポンと叩けば「腹いっぱい」、手を合わせて片方の頬を乗せれば「眠たい」、方手で股間を抑え、人差し指をつきだした別の手を振り回して飛び跳ねれば「トイレはどこだ?」、などという意図は確実に伝わったもの。これは「ボディ・ランゲージ」の領域か。「ボディ」を通した表現は、国境を越えるのかもしれない。

骨に願いを

 

妙な英単語3/もし、英語圏の友人ができたら、「ウィッシュボーン、知ってるぜ!」って言ってみよう。「オウ、ヤッテミルカイ?」という流れになれば、楽しく盛り上がるはず。現地では、 「缶けり」や「押しくらまんじゅう」ぐらいの知名度はあるのだろうか? 鶏が骨付きでしか店で売ってない地域の話なのだろうか? そこでは骨を積み上げるほど大量に鶏を食うのだろうか? ひょっとしてアメリカのケンタッキー州の遊びなのか? そもそも人はどんな願いごとをするのか?… 疑問はつきない。

 

あんた、パフォーマーだろ?!

 

妙な英単語4/インドを歩いていた時、自分の体を痛めつける苦行僧が、観光地によくいた。現地では彼らを「サドゥ」と呼ぶ。ある全裸の、風呂も入ってなさそうなサドゥが、白人の大柄な奥さんの前に立ち、やおら自分の股間を紐のようにして、石をくるんだカゴを持ち上げる。奥さんは悲鳴を上げて逃げ、旦那さんが苦笑して追いかけていった。そのサドゥ、お賽銭をもらいたいがためのパフォーマンスをやったのだ。「どこが修行僧やねん? アホか!」と、あきれる。上の単語は、「フェイカー」と読む。「faker」と綴れば、「いかさま師」の意味になる。英語圏の人は、「サドゥ」と出会うといつも「いかさま師っぽい奴らよ」と思ってしまうのだろう。痛みに耐えられるのだから、立派な僧も少しはいるだろうに…。

見過ごされがちだが重要な単語

 

妙な英単語5/1738ページの辞書の中で、動物の部位を図示した所は、ここのみ。大陸に住まう英語圏の人々にとって、かつて馬は大切な交通手段。だから馬に関する名詞も多いのだろう。その中でもこの「フェットロック」は、見過ごされがちだが、実は大切な所なのか。出っぱり具合で、速さや持久力が違ってくるのだろうか。競馬ファンなら知る人がいるのかもしれない。ところで、日本語を学ぶ異文化の人々に対して、挿絵の解説が必要なほど日常の中で重要で、でも忘れがちな単語は何かを考えてみる。「鼻毛」(出てる時、指摘されて分からなければみっともない)、「吊革」(電車のだが、「吊る革」って何だ?と、漢字の初心者にはイメージしにくい)などなど。「和英細部図解辞典」をつくったら、日本語学校で売れるかもしれない…。

わが心のデビル

 
 
妙な英単語6/辞書の挿絵に載るくらいだから、正式な悪魔像なのだろう。コウモリを筋肉質にしたようで、どこか愛きょうがある。キリスト教圏の「デビル」は、日本人の自分が考えるより、シビアで残酷な気もする。キリスト教の源流にもつながるという、ペルシアから生まれたゾロアスター教の二元論では、善と悪とが血みどろに戦う。わが心の中の悪魔はもっと漠然としている。この挿絵のごとく姿も形もない。でも意識に溶け込んで、確かに存在している。時々ヌッと姿を現し、自分をうろたえさせる。

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