杉村春子、「凡愚」を演ず

 

北千住の映画館、シネマブルースタジオで

小津安二郎特集をやっている。

いい映画をやるが、なぜかいつもガラガラの

ありがたい穴場の映画館である。

 

小津映画は、やはりいいなと思う。

年をくってから見ると、学生時代には分からなかった

面白味がしみじみとくる。

 

1959年作の『お早よう』を見る。

土手沿いの新興住宅街、といっても平屋長屋で、

醤油のかしかりをやるご近所関係が密なところから

生じてくるコメディである。

 

杉村春子演じるイヤなおばさんが秀逸。

ひがみ心で、ないことあることの陰口を

近所でふきまくり、

周囲を住みにくくしている張本人で、

そのくせ自覚もなく、

性根の悪い人にもなりきれない。

ああ、こんな人いるよな、と面白がりつつも、

反省すれば、

この人の要素はいくぶん自分を含む誰でも持っていて、

こんな人間の集まりが、

つまり「世間」を形作っているのかと思う。

 

映画は、事件らしき過激なものはまったくない。

テレビが欲しいとせがむ子どものふるまいが

(なんと昭和な風景か!)、

大人たちの日常を軽くかきまわすだけ。

その波紋から、

定年後、次の職探しに苦労する初老の男の嘆き、

定年前のサラリーマンの将来の不安、

家庭に入った女の生きづらさなどが、

じんわり浮き立ってくる。

 

外国映画のように「神」は出てこない。

「魔物」も「悲劇」もない。

いろんなものを背負って呻吟しつつ、

時に笑いながら、当たり前に生きていく「詠嘆」を

ひたすらシーンとして積み重ねていく。

見終わる前後あたりから、

「奇」のない「凡」の集積がズシリとくる。

やはり、オヅヤス恐るべし。

 

 

 

 


さすがに面白い『戦争と平和』

 

有名すぎて、どこか食わず嫌いに読まない本がある。

トルストイの『戦争と平和』がまさにそうだった。

古本屋で1年前に3巻500円程度で買って

ツンドクしていたが、

ふと読んでみると、さすがに面白い。

文豪の筆だけあって、老若男女の、各々世代特有の

心の動きが溌剌と描かれていてすごみがある。

人間観察がいきとどいている。

 

恋愛、夫婦の悲喜劇、親子の葛藤、生と死、

信仰、歴史…なんでもござれで、

息をのませぬストーリー展開だ。

 

主人公は、頭の切れる現実主義者の軍人アンドレイと

大富豪でロマンチックな夢想家ピエールの2人。

解説では、トルストイの両面を表してるとあるが、

そう思って読むと、なお興味をもってページがくれる。

 

ところで、アンドレイの嫁さんリーザは可愛く美しい

貴婦人だが、「唇の上にヒゲがある」という枕詞が

執拗につく。ロシアの婦人は毛深いのだろうか。

 

 

 

 

 


 


候補者を選ぶ

 

足立区議会議員選挙選挙公報を、

じっくり読んでると、意外と面白い。

足立区で何が問題になってて、政治が動いてるのか

ざっくり分かる。

また、人柄や政治的立場も、並べてみれば

多少推測はできる。

 

上のこけし顔の人は、提案が具体的で好感が持てた。

教育では「福担任制の復活」、

子育てでは「病児・病後児・休日保育を行う

基幹型保育園の設置」、

まちづくりでは「地域を支える人や活動を支援」とある。

経歴を見れば、英語教師とNGO団体代表で30年以上

活動している。やはり現場を知っている人らしい。

 

なによりいいのは、

「静かな選挙を心がけます」「公費で選挙カーは使いません」

である。「組織・団体の支援は一切なし」であるから

当然無所属である。

複数の選挙カーが名前を連呼してワーワーやるぐらい

バカらしく、無意味なことはない。

顔と名前の告知なら、街中にベタベタ貼ってるポスターで

十分である。

選挙公報を配るきりでよい。

ホームページで名前を検索すれば、サイトも出てくる。

関心を抱けば、チェックもする。

選挙する方も、うるさく駆けずり回る

選挙運動をしなくてよければ、金もかからず楽ではないか。

金をかけるのなら、議員に当選した後、

自分がやってること、やったことを説明する

サイトや機会をつくることにしてほしい。

 

『地方議員』という本を読むと、本来、

地方議会では、議員が政党色を出す必要はないそうだ。

首長という「大統領」に対して、

議員たちは「野党」の機能を果たさなければならないからだ。

主流党となって首長と結託することは、

民主政治としてはアウトである。

 

2000年の地方分権一括法で、

地方分権が劇的に進んだという。

これまで自治体は、国の仕事を代理でやらされていたが、

この法律で自己決定権が飛躍的に拡大した。

 

住民の意見をうまく集約できれば、

市民自治的な動きが、いろいろできるのかと気が付いた。

でも、現状はそうなってないのだろう…。

 

 

 

 

 


仕事師

 

アメリカの女優、スカーレット・ヨハンソンが、

三度目の結婚をしたとニュースで知る。

 

大スクリーンで見るこの人の演技、

存在感は圧倒的である。

『真珠の耳飾りの少女』『ルーシー』なんか、

見終わって呆然したもの。

 

女優たるもの、人生経験が凄まじい方が

演技の足しになる、と常識的に考えると、

三度ぐらいの結婚など当たり前にも思える。

またスキャンンダラスな方が、

芸能人として輝きも増すというものだ。

 

虚業に生きる仕事師、

スカーレット・ヨハンソンに祝福を。

 

 

 


「虫歯のない第一世代」を

 

『はみがきあーん通信』の第12号。

歯みがき絵本のお披露目会の模様をお伝えしてます。

https://ja-jp.facebook.com/hamigaki.aan/


幻の名作

 

昨日の記事の続き。

 

ガンとなって死期を悟ったジョスリーン・サアブは、

生涯最後の映画のテーマを「母と娘の葛藤」

にしたいと考えて、

その題材を四方田犬彦に相談したという。

自身の母とのわだかまりが胸にあり、

それと対決したかったのだ。

 

四方田は、連合赤軍で現在服役している重信房子と

重信メイを取り上げればと、二人を紹介。

ジョスリーン・サアブと重信メイは意気投合し、

パイロットフィルムまでつくるものの、

サアブは帰らぬ人となってしまった。

 

その未公開フィルムを、

館内で見る幸運に恵まれた。

 

重信メイは、気品と知性漂う美女。

房子の娘であるがゆえの数奇な運命を持つ

ジャーナリストでもある。

フィルムは、海辺のどこかのテラスを歩く

メイを延々と撮っている。

表情もスタイルもいい。

絵になる。

劇映画も手がける映画監督の本能が

喜々としているのを感じる。

最高の被写体と最高の監督の

幸福な出会い。

この映画が実現できたならな…と思う。

 

 

 

 

 

 


ジョスリーン・サアブを知る

 

レバノンを代表する女性監督、ジョスリーン・サアブの

追悼上映会が、アテネ・フランセ文化センターで

やっていたので見に行く。

 

まったく知らない監督だったが、映画研究者の

四方田犬彦が生前親交あり、解説も行うというので

興味を持つ。

 

ジョスリーン・サアブ、すごい人であった。

1970年代から1990年代、地元の都市、

レバノン・ベイルートで起こった戦乱を

描いたドキュメンタリーを何本撮っている。

 

『戦争の子供たち』は字幕もない10分の作品だが衝撃的。

ベイルートのKarantina虐殺の直後に撮影されたものだ。

集団の子どもたちの遊びを撮影するのだが、

彼らが喜々として演じるのは虐殺現場の風景である。

敵側の兵士が市民を殺める方法がリアル。

後ろから口を押えて倒し、頸動脈をナイフで断ち切り、

鼻をそぐ…これを繰り返し、集団的熱狂の中でやる。

子どもたちは、目の前で繰り広げられた戦争の

トラウマを演じることで解消させているらしい。

この光景は、柔らかな幼い心の破壊を示して、

実際の虐殺シーンを映し出すより、

恐ろしいかもしれない。

サアブの着眼の鋭さに、舌を巻く。

 

もう一本の『わが町、ベイルート』は、

サアブが破壊された自宅に立ち、状況を伝えるシーンから開始。

戦乱で町が破壊されていく歴史を、内省的に描いている。

失われたベイルートを記憶し続ける、

というテーマと解説にあり。

 

サアブ映画には、「忘却への抵抗」という意図がある

四方田氏は言っていた。

映画という記録は、たしかに歴史を刻んでいく。

刻むにたるには、自分の苦悩やトラウマ、悲鳴も巻き込んでの

内省をギリギリと通した本物の表現でなければならない。

破壊された実家からカメラを回したサアブは、

骨太の映画人である。

華奢でチャーミングな人であったようだが。

 


シューとした感じ

 

酔っ払い画。

ベトナムの女性歌手を描く。

いまとなっては、誰か分からない。

こういう顔の歌手って、

日本人にありそうでなさそう。

でもアジアの顔なのだなぁ。

 

最近、ユーチューブで、

いろんな国の歌手を検索して遊んでいる。

このネットというやつは、

音楽探検にほんと適している。


歯磨き絵本『はみがきあーん』、発行!

 

『はみがきあーん通信』第10号は、「絵本おひろめイベント1」。

5月5日、ル・シーニュ6階にある府中市民生活センター・プラッツにて

開催された模様を、4回にわたって報告します。

今回は、その第一弾。

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空から見られている…

 

また、スマホである。

 

渋谷の老人ホームでの絵手紙講座を終えて帰宅し、

そいつをいじっていたとき、

ふと「ヘルスケアデータ」というのを見る。

 

すると、今日歩いた距離や歩数が出ていてびっくり。

ご丁寧に、上がった回数もカウントされている

(ざっくりだが、合っている)。

 

おいおい、カウントしていたのかよ⁈と。

カバンに入れてただけなのに…。

また、よく歩いてんなとも思う。

絵手紙講座の後、ひどく疲れるわけである。

講座中は1時間半立って歩きまわるし、

電車は1時間は立っているし、

相当な運動量である。

 

GPS機能で、

スマホ保持者がどこにいてどう移動するのか

割り出しているのであろう。

電車に乗っているとき、「地図」のアイコンを

開けると、今いる路線や駅が判明した!

 

これって、浮気調査に利用できるなと思う。

ターゲットがどこにいてどう移動したか、

克明にわかるソフトがあるのかもしれない。

いや、そんなのまだ甘い。

国、警察なら、通信会社と結託して、

マークした人物を追ってくるだろう。

…と思うと、少し怖い。

 

 


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